駐輪場経営に失敗する原因とは?ありがちな7つのケースと対策を解説!
投稿日 22.06.02
駐輪場の経営を考えている人の中には、「もし失敗したらどうしよう……」と悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は駐輪場経営でありがちな失敗を7つ紹介します。失敗を未然に防ぐ対策ポイントも解説しますので、駐輪場経営に失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
自分に合わない経営方式を選ぶと、経営が立ち行かなくなる可能性も大きくなります。たとえば運営会社への委託費を惜しんで自営方式を採用した場合は、自分で経営して失敗するだけでなく、「代金回収などに時間がかかる」「トラブルが発生して自分で対処できない」といった問題もあります。
経営方式の選択に失敗するのは、事前の準備不足が原因です。収支計画を正しく立案して、自分がどこまで駐輪場経営に関与できるのかを把握しましょう。
駐輪場を経営する場合は住宅用地ではなくなるので、特例の対象から外れます。実家などの建物を壊して駐輪場の経営をする場合、土地の固定資産税は最大で6倍になる点に注意が必要です。
固定資産税が上がることを計算に入れていない場合、駐輪場の賃料だけでは固定資産税を納税できない事態も発生する可能性があります。駐輪場にすることで固定資産税がいくらになるのかまで事前に把握することが大切です。
そこで今回は駐輪場経営でありがちな失敗を7つ紹介します。失敗を未然に防ぐ対策ポイントも解説しますので、駐輪場経営に失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
駐輪場経営に失敗しやすい7つのケース
駐輪場の経営を失敗する原因はさまざまです。ただ、よくある原因はいくつかに絞り込むことができます。ここでは、駐輪場経営で発生しやすい失敗を7つのケースに分けて解説します。需要のない土地を選んだ
駐輪場を経営するなら、ニーズが高い場所選びが何よりも重要です。利用者が少なく稼働率が上がらない時間貸し駐輪場や、契約希望者が現れない月極駐輪場では収益をあげられません。 駐輪場経営はコストをかけずに始めやすいのがメリットですが、安易に始めても収益化できない事態が発生します。駐輪場の需要が高い土地を狙うなら、たとえば主要駅やデパートなどの大型商業施設に近いエリアがおすすめです。企業が入居するオフィスビルなども駐輪場のニーズがあります。 逆に郊外のショッピングモールなどは、駐輪場の経営には向いていません。自転車で訪れる人が多い反面、モール側で十分な駐輪スペースを確保しているためです。 そもそも駐輪場のニーズがない土地では価格をどれだけ下げても集客はできません。駐輪場経営に失敗しないためにも、事前の市場調査で需要がある土地を見つけることが大切です。競合と比較して料金が高い
競合が発生すると、駐輪場の経営に大きな影響があります。経営する駐輪場の近辺に競合ができる場合、独占できていた顧客を分け合う格好になって収入減の可能性が高まります。 都市部や主要駅の周辺など人気の高いエリアでは、複数の駐輪場が密接していることも珍しくありません。複数の駐輪場が乱立している場合、駐輪場を探している人は料金の安さを重視します。収支を黒字にすることばかりに気を取られて相場よりも高い設定にすると、客足が遠のく原因になります。 周辺の競合調査を行い、集客に苦労しない料金設定が必要です。賃料の未払いが発生する
月極タイプの駐輪場を運営する場合には、- ⮚支払期限を過ぎても料金が振り込まれない
- ⮚契約していない人が勝手に駐輪場を利用している
管理会社の管理が甘い
清掃やクレーム対応などの管理業務は、駐輪場管理会社に委託するのが一般的です。質の良い管理会社なら、丁寧な清掃や顧客対応で駐輪場の質を保ってくれます。 一方で管理会社の管理が甘いことで、管理不足に悩まされるオーナーもいます。十分な管理がなされないことは利用者の減少につながります。時間貸し形式の駐輪場など機器の不良で料金の支払いができないと、料金を支払っても出庫できません。対応が遅れると利用者の不満が解消されず、二度と利用してもらえなくなるでしょう。 清掃の手が行き届いていない駐輪場も同様で、不潔な環境を嫌う利用者から避けられます。事故や盗難の温床にもなりかねません。対策として、管理会社の実力を把握することが大切です。委託予定の管理会社が他に管理している駐輪場を視察するなど、管理のレベルを把握しておくことで未然に防ぐことができます。経営方式があっていない
駐輪場の経営方式は、大きく分けると以下の3つに分類されます。駐輪場の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自営方式 | ・手数料がいらない ・収益が上がる |
・管理が大変 |
管理委託方式 | ・管理をプロに委託できる | ・管理費が必要になる ・空きが出ると減収になる |
一括借上方式 | ・管理をプロに委託できる ・初期費用が不要になる ・収益が一定になる |
・管理委託方式よりも高い管理費が必要になる |
空車稼働を想定していない
駐輪場は常にフル稼働しているばかりではありません。空車の可能性を考慮しないで満車を想定して収支計画を立ててしまうと、想定した賃料が得られない事態が発生します。必要経費の支払いもできない状態までいくと、駐輪場の経営が続けられないことも考えられます。固定資産税を考慮していない
駐輪場経営がアパートやマンションなどの不動産と異なるのは「住宅用地の特例」が適用されないことです。住宅用地の特例とは、人が居住するための家屋として利用される土地(住宅用地)の固定資産税が軽減される制度のことです。≪住宅用地の例≫
住宅用家屋(専用住宅・アパート等)の敷地、住宅用家屋の敷地と一体となっている庭・自家用駐車場≪住宅用地以外の土地(非住宅用地)の例≫
業務用家屋(店舗、事務所、工場、倉庫、旅館等)の敷地、駐車場、資材置場、空地(住宅建築予定地を含む)、住宅建築中の土地 出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局 住宅用地では課税標準の特例措置が設けられていて、税負担が以下のとおり軽減されます。区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|---|
小規模住宅用地 | 住宅用地で住宅1戸につき200m2までの部分 | 価格×1/6 | 価格×1/3 |
一般住宅用地 | 小規模住宅用地以外の住宅用地 | 価格×1/3 | 価格×2/3 |
駐輪場経営を成功させるポイント
駐輪場運営に失敗する原因を取り除くことで、成功する可能性が高まります。 ここでは前章の失敗を発生させないためのポイントを見ておきましょう。管理会社は契約内容を良く比較して決める
管理会社の管理能力・レベル次第で収益性が左右されることもあるので、委託先は慎重に選ぶべきです。最初に相談した管理会社にすぐ依頼するのではなく、複数の管理会社に資料請求を依頼して担当者から説明を受けると良いでしょう。 時間貸しの駐輪場では乗り逃げなどの犯罪や賃料の未払いなどのトラブルが発生する可能性もあります。トラブル・犯罪に対する対策を具体的に聞き取ってみるのもトラブル対策の1つの方法です。税金を考慮した事業計画を立案する
駐輪場の経営では以下のような税金が発生します。- ⮚ 固定資産税
- ⮚ 都市計画税
- ⮚ 消費税
- ⮚ 所得税・住民税
- ⮚ 個人事業税