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相続した土地を売却する際に発生する税金とは?節税のコツや注意点についても解説

相続した土地を売却する際に発生する税金について

相続した土地を売却するとなると、さまざまな税金が発生します。基本的には民法上に従って手続きを進めていきますが、遺言状がある場合や相続人が多い際にはトラブルに発展するケースも少なくありません。

この記事では、相続した土地を売却する際の税金や節税方法、売却時の注意点についてご紹介します。

相続した土地を売却する際に生じる税金とは

相続した土地を売却する際に生じる税金について解説します。

登録免許税

土地を売却する際は名義変更が必要となります。この登記にかかる税金のことを登録免許税といい、以下の計算式によって求められます。
登録免許税=土地の固定資産税評価額×0.4
なお、固定資産税評価額とは固定資産税課税台帳に記載された土地や家屋の評価額のことで、を毎年度はじめに市区町村から送付される固定資産税の「納税通知書」に添付されている「課税資産明細」で確認可能です。

印紙税

印紙税とは、土地を売却する際に交わす売買契約書の作成時に課される税金のことです。印紙税は収入印紙を書面に貼り付けることで納付し、納付金額は記載されている金額によって異なります。
出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁参

所得税・住民税

土地の売却によって譲渡所得が生じた場合は、所得税や復興特別所得税、住民税が発生します。譲渡所得の計算式は以下の通りです。
課税譲渡所得金額=収入金額 – ( 取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額
※取得費が不明確な場合は、概算取得費として譲渡価格の5%を用いる
なお、所得税と住民税の税率は土地の所有期間によって次のように異なります。

・所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得)=所得税30%、住民税9%の割合が適用される
・所有期間が5年超の場合(長期譲渡所得) =所得税15%、住民税5%の割合が適用される

出典:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁
出典:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算|国税庁

譲渡した不動産の所有期間は売却した年の1月1日時点で判断するほか、被相続人の所有期間を引き継ぐことで、長期譲渡所得を適用可能です。

土地を売却したほうがよいケース

ここでは土地を売却した方がいいケースを3つ、取り上げてみました。

土地活用が難しい場合

土地の形が複雑である、立地が悪く人通りがほとんどないといったように土地活用が難しいことが想定される場合、早い段階で売却することを検討しましょう。その理由として、保有している土地には固定資産税が課されるため、所有しているだけでマイナスになる恐れがあることが挙げられます。

相続人の中で土地を利用する人がおらず、活用したところで収益が見込めないのであれば、売却を考えることをおすすめします。

相続税の納付資金が足りない場合

相続税には各種税金が発生するため、納付資金が足りなくなるケースも多く見受けられます。相続税の申告と納税期限は、相続の開始を知った日の翌月から10ヵ月以内と定められており、短い期間でまとまった資金を用意しなくてはなりません。土地が更地の状態になっていればすぐに現金化しやすいことから、納付資金に充てられるでしょう。

遺産分割の協議がまとまらない場合

遺産分割の協議がスムーズにまとまらない場合、土地を売却して現金化したうえで遺産分割をすることをおすすめします。不動産の遺産分割は難しく、土地の売却や建築をする際に共有者全員の同意が必要となるほか、後にトラブルに発展することも珍しくありません。「相続人が多い」「公平性が保てない」といった場合には、土地の売却を検討しましょう。

土地の売却で得た所得を節税する方法

つづいて、土地の売却で得た所得を節税する方法について解説します。

優遇措置を利用する

相続して3年以内に土地を売却する場合、一定の要件を満たすことで以下に挙げるような優遇措置が受けられます。

・所得費加算の特例:相続した土地を売却した場合に所得税の負担を軽減できる制度
・空き家の3,000万円特別控除:相続で引き継いだ空き家を売却して得た利益(譲渡所得)から3,000万円まで控除される制度

出典:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
いずれも節税対策となるため、売却する際は確認しておくとよいでしょう。

取得費を明確にする

先にも述べたように譲渡所得を求めるにあたって取得費が不明確な場合、概算取得費として譲渡価格の5%を用いることになります。その場合、譲渡所得が大きくなることから、取得費になり得るものを探し、明確にすることが大切です。
出典:No.3252 取得費となるもの|国税庁

土地を売却する際に注意すべきこと

売却時に注意しておきたいポイントについても、あわせて確認しましょう。

確定申告を忘れないようにする

不動産を売却した場合、売却した翌年に確定申告をしなければなりません。とはいえ、売却したからといって必ずしも確定申告が必要となるわけではなく、以下の2つのケースに該当する場合に限られます。
・譲渡所得が発生した
・優遇措置を受けた
なお、譲渡所得が発生しない場合でも優遇措置を受けた場合には、確定申告が必要となるので注意しましょう。

土地を売却するなら早い段階から準備しておく

相続した土地を売却した際の優遇措置が適用されるのは、3年以内が目安となります。不動産の売却には名義変更から引き渡しまで半年以上と、長い期間を要することも少なくありません。そのため、売却する意思があるのであれば早い段階で準備しておくようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、相続した土地を売却する際に発生する各種税金をはじめ、節税ポイントや売却時の注意点についてお伝えしました。とはいえ、需要がある土地であれば上手く活用することで収益が期待できます。

アナグスは駐輪場や駐車場の運営・管理に多くの実績を持っており、その土地に対しての最適なプランをご提案いたします。相続した土地を売却するか悩んでいる場合は、ぜひこの機会にご相談ください。