駐輪場運営コラム

駐輪場運営に関する知識やポイントをご紹介

駐輪場経営に適した場所とは?失敗しない立地選びのポイントを解説

駐輪場経営は少ない投資で始められる土地活用の一つとして注目されていますが、成功のカギは「場所選び」にあります。どれだけ需要があっても立地が悪ければ稼働率が上がらないケースも少なくありません。

本記事では、駐輪場経営に向いている立地条件や、場所選びで注意すべきポイントを解説します。

駐輪場経営は「立地」がすべてと言われる理由

駐輪場ビジネスは、小規模な土地でも始められる手軽さが魅力ですが、その分「立地」によって収益性が大きく左右されます。ではなぜここまで立地が重要なのか、その理由について見ていきましょう。

利用者は利便性で選ぶためアクセスが重要

駐輪場の利用者は自転車を停める際、便利さを第一に考えます。 通勤や通学、買い物のついでに使いたいというニーズが多く、「駅から徒歩1分」「施設から目の前」などと立地が重視される傾向にあるでしょう。その一方で、少しでも遠い・見つけづらい場所にあると利用を避けられてしまう恐れがあります。

回転率が利益を左右する

駐輪場経営の利益は「1台あたりの単価×回転率」で決まります。そのため、利用者の入れ替わりが激しい場所ほど収益性が高まります。平日・休日問わず人の流れがある場所ほど、安定した稼働が見込めるでしょう。

住宅地よりも駅前や施設周辺が有利なケースが多い

自宅周辺に駐輪場が必要なケースもありますが、収益性を優先するなら駅前や商業施設周辺のほうが有利です。住宅地は長時間利用の傾向が強く回転率が下がる一方で、駅前や店舗周辺は短時間利用や高頻度利用が多く、回転率が高くなる傾向にあります。

駐輪場経営に向いている代表的な場所

では実際に、どのような場所が駐輪場経営に向いているのでしょうか。以下に代表的なエリアをご紹介します。

駅前やバスターミナル周辺

通勤・通学者が多く、自転車通勤のニーズが集中するのが駅前やバスターミナルです。特に、主要駅や乗換駅付近では一日中利用者が見込めるため、高稼働が期待できます。

大学・専門学校・高校周辺

学生は自転車利用率が高く、長時間の授業や活動で駐輪場のニーズが安定しています。敷地内に駐輪スペースが不足している学校も多いため、周辺にあると高い需要が見込めるでしょう。

スーパー・病院・市役所などの商業施設周辺

買い物客や来院者など、短時間の利用が多い商業施設や公共施設周辺も、駐輪場経営に適したエリアです。高齢者の利用も多く、バリアフリーや舗装状態なども集客に影響します。

マンション密集地の空き地

マンションが密集している住宅地では、建物に備え付けの駐輪場が不足しがちです。特にファミリー層や子育て世代が多い地域では、追加の駐輪スペースとしてニーズがある可能性があります。

駐車場の場所選びで見落としやすいポイント

駐輪場に適していそうな場所でも、思わぬ落とし穴があるかもしれません。場所選びの際に見落としやすいポイントも確認しておきましょう。

周辺に競合の駐輪場があるか

同じエリアにすでに複数の駐輪場がある場合、価格競争や稼働率の低下を招くことがあります。競合との距離、台数、利用料金などを事前にリサーチしておくことが重要です。

違法駐輪が多発しているエリアかどうか

一見ニーズがありそうに見えても、利用者が違法駐輪を習慣化しているエリアでは、有料の駐輪場にわざわざお金を払ってもらえないことがあります。地域の治安や行政の取り組みも確認しましょう。

前面道路や出入りのしやすさなど、使い勝手も重要

駐輪場は利用のしやすさも大切です。前面道路が狭すぎる、車通りが多すぎる、舗装状態が悪いなど、利用しにくい環境だと敬遠されてしまう恐れがあります。安全に停められるかどうかは、特に高齢者や子ども連れの利用者にとって外せない条件のひとつです。

駐輪場経営の始め方

実際に駐輪場経営をスタートするには、どのようなステップが必要なのでしょうか。以下の手順を参考にして、計画的に準備を進めましょう。

1.事業計画・資金計画の策定

まずは収支予測や目標設定を含めた事業計画を立てます。初期投資や運営コストを明確にし、必要な自己資金と融資額を算出します。

2.土地の選定

事業の成否を分けるのが土地選びです。需要が見込めるエリアで、法規制にも適合する土地を選びましょう。借地での運営も可能ですが、契約内容の確認が重要です。

3.売買契約締結

土地を購入する場合は、売主との条件交渉・契約締結を行います。借地の場合も、賃料や契約期間の条件確認を行いましょう。

4.融資の申込み・契約締結

自己資金だけでは足りない場合は、金融機関に融資を申し込みます。事業計画書が必要になるため、しっかり準備しておきましょう。

5.土地の引き渡し・登記手続き

売買契約や融資が完了したら、土地の引き渡しと所有権移転の登記を行います。

6.舗装工事開始

駐輪場として運用するには、地面の整備が欠かせません。アスファルト舗装や車止め設置など、安全性と利便性を意識した施工を行います。

7.駐輪設備の設置

ラックや看板、精算機などの設備を設置します。台数や導線を考慮して配置し、利用しやすい構造にすることが重要です。

8.管理会社の選定と契約

管理を外部に委託する場合は、実績のある会社を選び、管理業務の範囲や費用を明確にしたうえで契約します。

9.集客施策

チラシ配布や地域の掲示板、Web広告などを活用して、オープン前後に利用者を獲得します。割引キャンペーンや時間無料設定なども有効です。

まとめ

駐輪場経営は土地があるだけでは成功しません。需要がある場所に、利用しやすい設備を適切に設置することが利益につながるでしょう。また、場所選びは思った以上に重要で、競合や使い勝手まで考慮する必要があります。

立地に迷ったら、まずは専門業者に相談して、エリア調査から始めてみるのがおすすめです。 駐輪場経営の成功への第一歩は場所選びから。慎重に、かつ戦略的に判断しましょう。

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